CASE.2

葬儀に美しいデザインアイテムを!

お客様の種類:葬儀社ご利用事業の種類:ペーパーアイテム印刷

ペーパーアイテムと言えば、多くの人がブライダルの招待状や席次表などを思い浮かべるのではないでしょうか。お二人の人柄やセンスが反映されてオシャレにデザインされたハレの日にふさわしいアイテム。

ただ、ふと思うのです。

ブライダルに比べて、葬儀のペーパーアイテムって少々バリエーションが少なすぎるのではないか、と。

そのきっかけとなったのは、当社の先代が亡くられたとき。
実際の葬儀やお別れ会を開催するにあたって、既存のペーパーアイテムのデザインではどうも「先代らしさ」が伝わらないと感じたのです。

先代は、いつもおしゃれで、おおらかな性格で、人の「笑顔」を見るのが好きな人でした。そんな人柄や「らしさ」が伝わる会葬礼状を作りたい。
だって、私たちは印刷会社なのだから。

そんな想いから、葬祭向けのペーパーアイテム作りが始まりました。

既存のバリエーションにはない、ちょっとオシャレで、高級感もあって、美しいデザインにこだわる。そんな取り組みに興味を持ってくれた会社からある日、連絡が入りました。

「細い箔押しで縁取ったデザインができないか」

箔押しとは、金箔、銀箔などの箔をプレス機の熱と圧力で紙に転写する特殊印刷です。その箔の幅が細いほど、高級感を演出できるのですが、当然、細い箔を印刷するのは至難の技。その会社さんが求めていたのは「0.5ミリ」という、他の印刷会社では到底受けることができない細さです。

最初は私たちも断ろうかと悩みました。0.5ミリという細さの箔がキレイに印刷できるのか。箔にズレが出ないだろうか。

ただ、無理だと諦めていたら、無難なものしか作ることができません。他ができないのなら、うちがやってやろうじゃないか。そんな想いで依頼を受けることにしました。

この前代未聞のオーダーは、既存のプレス機の性能だけでは対応できません。頼りにしたのは、ベテラン職人の感覚と手技です。箔押しは、プレスが弱すぎると剥がれてしまうし、強すぎると紙に圧がかかりすぎて、シワやよれが出てしまいます。

しかも今回のオーダーは0.5ミリ。
それをズレなく印刷していくには相当の技術と根気が必要です。

来る日も来る日もプレス機と向き合う職人。上の圧と下の圧を精緻な感覚で調整しながらトライ&エラーを繰り返していきました。

その努力が実り、ついに0.5ミリの箔押し印刷が完成!

依頼してきた会社さんも大喜びで、その技術力の高さに他の葬儀社や寺院からも「これまでにない会葬礼状を作りたい」というオーダーが寄せられるようになりました。

そして2022年には、ペーパーアイテムブランド「YOSUGA」を立ち上げ、大切な人の「らしさ」や、デザイン性の高いレクイエムペーパーアイテムを展開するようになりました。

YOSUGAとは、縁と書いて(よすが)と読みます。

人と人との巡り合わせ、絆、信頼、報恩の輪を心のよりどころ=「よすが」にするプロダクトブランドで、これからも故人と遺族に寄り添った革新的なデザインのペーパーアイテムを作っていきたいと思います。